東雲勇太監督の緊縛SM作品を考察!快楽と所有欲のため夫を次々と毒牙にかけてゆく強欲な喪服の未亡人マゾヒスト・高宮菜々子。
・こんにちは!本日はシネマジックの奇才・東雲勇太監督の緊縛・SM作品『ベルベットブラック 喪服の毒蜘蛛未亡人 高宮菜々子』の紹介、ではなく考察をさせて頂きたいと思います。
東雲勇太監督の作品には、そのストーリーの文学性の高さから目で映像として楽しむだけではなく内容を理解し読み解かせる、視覚と知性の両面からエロティシズムの興奮を与えてくれる。そして「映像と意味」その二つを照らし合わせ、合致した瞬間に得ることの出来る充足感。
自分にとっては本当にこれが最高の快楽でして、それは「脳イキ」なんて言葉に近い感覚なのかもしれません。「肉欲的な悦楽」ではなく「精神・魂の高揚感」それを映像作品で与えてくれる、東雲作品とはそういった特別な期待をさせてくれる存在です。
ストーリーの説明に関しては、長くなってしまうのでFANZAの販売ページに書かれている説明文がとても簡潔明瞭でしたのでそちらを引用させて頂きます。ご一読いただければ幸いです。
“いつも黒衣を纏い、永らく前夫の喪に服したまま、しかも四度も夫と死別した菜々子という謎の女がいた・・頻繁に住所を変え喪服のまま次の男を誘い込み、麻縄で縛らせて男の望むままに性調教を施させる。男は菜々子の妖艶な肉体に溺れ、完全に支配するために結婚の契りを交わす・・だがこの女は近づく男を蕩し込んで婚姻し自分のマゾ性癖を十分に満足させると、毒牙にかけて喰い殺し全ての遺産をむさぼり食べる獰猛な雌蜘蛛だった。”
そして本作を見てもった感想は、マゾヒストが有するマゾヒズムの本質を構成する属性的な欲望「自己を満たす欲求」を利用した「マゾヒストの擬態と捕食」そんな姿を、SMプレイを交えた人間ドラマとして東雲監督は描かれたのではないか、そう感じました。
マゾヒズムには、その受動的な性質により他者を要し快楽によって自己を満たそうとする欲求が常に伴うものと僕は考えております。最近よく耳にする「エゴマゾ」という言葉、商業的なSMプレイを行う業種の方々から忌み嫌われる存在としてよく使用される言葉として有名ですが。
上述の通り、マゾヒズムには主体が被虐を受ける「受動」によって満たされる。そのため自らの快楽を追求するがあまりに利己主義(自己の欲求を満たすことを優先する衝動)が前面に出すぎてしまうのだと推察します。
この他者によってマゾヒズム的快楽を満たそうとする姿は「マゾ」の語源になったザッヘル・マゾッホの著書『毛皮を着たヴィーナス』の中でも描かれております。
上の画像の文章は、女主人(ドミナ)であるワンダとその奴隷(スレイブ)となり調教を渇望する男セヴェリーンとの対話。そこで奴隷であるセヴェリーンは主人であるワンダに自らを鞭で打つように懇願する。そしてそれに困惑するワンダの状況が伺えます。
一見するとサディストが支配しマゾヒストがそれに隷属するSMプレイのごく普通の調教シーン。しかし、この状況をよく考察してみると主従の逆転というアンビバレンスな現象が起きているという事実が見えてきます。
困惑する女主人に自らの快楽を満たすため鞭で打てと命ずる奴隷、そこには奴隷が主人を支配している構図が隠されています。「マゾヒストが己の欲望を満たす調教を受けるための調教を主人に行っている」という情景。
このことにより、AVなどで描かれる男性の欲望を満たすことを目的とし自ら被虐的立場を望み、悦び勇んで能動的な愛をもって奉仕するマゾヒストの女性のそれとは相反するその姿。AVが作り出した「M女像」がいかに主観者側の勝手な欲望によって造られた「虚像」であるかに気づかされます。
しかし東雲監督が描き、高宮菜々子さんが演じるマゾヒストはそれらAVのM女像とはかけ離れ、己の二つの欲望を満たそうと利己的に他者を利用します。そして、目的を果たすと夫となった男たちを次々と手に掛けてゆきます。
高宮菜々子が欲した二つの欲望とは、喪服を着た自分を緊縛し淫虐を受ける事によって満たされる「マゾヒスト的な快楽」。そしてもう一つは、殺害した夫たちから受け継ぐことの出来る遺産、つまりは「所有欲」の二つが目的となります。これらを得るため、高宮菜々子は縄で縛られ男に支配されることを至上の悦びとする従順な未亡人マゾヒストを演じ男たちを呼び込みます。
その姿を『毒蜘蛛』の「捕食」に重ねて見ることが出来ます。緊縛された喪服の美女は獲物をおびき寄せるため麻縄を張りめぐらせた蜘蛛の巣に己の身を投じ、自由を奪われ弱々しく羽を震わす不憫な蝶の如く、肉体を艶かしくくねらせ獲物を誘う。それは、強欲なマゾヒストの被食者への「擬態」に他ならなかったのだと。
そして、暴虐の鞭に打たれ悦に入る菜々子を我が物にしようと欲望を剥き出し近づいてきた男たちを次から次へと蠱惑の罠に陥れ、捕らえては毒牙にかけ、我欲の成就で心の空腹を満たすのでした。
ラストシーンではタイトルのこの未亡人マゾヒストが「毒蜘蛛」であったことを暗示するかのように、宙に張られた巣の中で蜘蛛が脚を伸ばしているかの如く開脚緊縛での吊り責め。そして、捕食された夫・田渕正浩氏の亡骸が横たわっている中、高笑いをする高宮菜々子さんがとても頽廃的で美しかったです。
従来のAVで描かれるM女像ではなく、最後まで男を支配する側であり続けた強欲な未亡人マゾヒストの姿にはとても感慨を受けます。
ここまでの文学性をもったAV作品、東雲勇太監督の奇才っぷりに只々、脱帽するばかりです。視覚と知性の両方からエロティシズムの充足感を与えてくれるシネマジックの奇才・東雲勇監督太作品『ベルベットブラック 喪服の毒蜘蛛未亡人 高宮菜々子』もはや僕などがオススメという事は烏滸がましく、この美しい淫靡な世界をぜひ皆様にもご覧になって頂きたいと思っております。
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