ラバーフェティシズムの源流となった『レインコートボンデージ』その歴史。自己完結型のフェティシズム
・こんにちは!本日は日本が誇る偉大なSMのAVメーカー・シネマジックから川村慎一監督の『猟奇館の凌辱 羽田夕夏』という作品をご紹介したいと思います。
早速ですが、こちらの作品で一番注目したのは「レインコート」というフェティッシュなアイテムを使用しての緊縛ボンデージプレイです。レインコートの何が注目なのか?と言いますと、実はレインコートはボンデージの潮流の大元となる重要なアイテムの一つだったりするのです。
これは以前こちらの記事の中で書きました
「Discipline性を持ったボンデージ」と「Discipline性を持たざるボンデージ」という風に紹介した、アメリカの西海岸を中心に興ったボンデージギアを使用した「Discipline Bondage(D&B)・ディシプリンボンデージ」とそれに対を成すイギリスのロンドンを中心に興ったラバーやラテックスなどを使用した「Rubber Fetishism・ラバーフェティシズム」。そして、そのラバーフェティシズムの源流となったのが本作にも登場するレインコートというアイテムなのです。
いわゆるラバー・ラテックスのフェティッシュマガジン「SKIN TWO」の世界の大元となったのが、レインコートボンデージだと言われています。「レインコートとSKIN TWOのラバー・ラテックスフェティシズム全然似てないじゃん」て思われるかも知れませんが、これらが成立する過程の中間に「ATOMAGE(アトマージュ)」という雑誌を一つ挟むのです。
画像を時系列で見て頂くとその流れがなんとなくご理解頂けるかと思います。
・レインコートボンデージの時代(20世紀初頭)
・イギリスのジョン・サトクリフ氏が手掛けたラバーフェティシズム初の専門誌「ATOMAGE(アトマージュ)」(1960年代)
・現代のラバーやラテックスなどの新素材を使い、ボディコンシャスなラバーフェティシズムを牽引するイギリスのフェティッシュマガジン「SKIN TWO」
元々レインコート・雨合羽の素材は現在のようなビニールではなく、ゴムが使用されていたらしく、そのゴム素材のウェアを着用することによって独特な芳香や肌への密着性、また材質の特性から発汗性を持たず汗や体液が内に籠もることで起こるなんとも言えない吸着感。それらの感覚を楽しむ愛好家の存在が20世紀の前半にイギリスなどで確認されており、それに端を発したのがラバーフェティシズムの成り立ちだったとのことです。
本作の中ではビニール素材の白いレインコートの上から、縄での緊縛拘束が行われているのですが、本来はこのように「ゴムが持つ素材の特性を着用して楽しむ」という『自己完結型のフェティシズム』というDiscipline的性質を持たないボンデージウェアという特徴を持っています。
『猟奇館の凌辱 羽田夕夏』内で描かれているのは SMではなく誘拐監禁からの「緊縛レイプ」。変態性的倒錯者の縛られた「M奴隷人形遊び」とコレクター気質の闇
・こちらの『猟奇館の凌辱 羽田夕夏』の内容ですが、至るところに「フェティッシュの記号」が散りばめられている作品です。本作を見てやはりシネマジックってすごいことをやっているAVメーカーさんなのだなと痛感させられました。
パッケージ写真を見てSM作品だろうなと思いきや、実は作中にMであるマゾヒストは登場しません。速水健二氏が扮する凶暴な変態サディストは登場しますが、主演女優の羽田夕夏さんは決してマゾヒストを演じていません。善意で、白杖をつく盲目を偽った速水健二を手助けようとしたところ誘拐・拉致監禁され囚われの身になってしまったのです。
そして、変態サディストによるSM調教の形をした性的虐待行為や陵辱の限りを受けますがマゾヒストでない彼女はそれに悶え苦しみます。当然のことながら彼女は自らが置かれた状況を受け入れず、監禁状態から逃げ出そうと試みたりもします。このことからD&S、Domination(支配者)とSubmission(服従者)の関係も両者の間には成立していないことが窺えます。
つまり本作の中で行われているのは、一方的な変態サディストによる「緊縛レイプ」と言った形が妥当で、SM調教形式はとっているもののそれは決してヒロインのマゾヒスト性を開花させようとするものではなく只々、サディストの性的欲望の完遂にほかなりません。
言いかえれば性的倒錯者による「人形遊び」が描かれているんだと言えます。自分の理想の巨乳を持つ女性を誘拐監禁し、そして予てよりの願望を緊縛拘束され抵抗の出来ない「生き人形」となったヒロインを使って欲望を満たし、独り遊んでいるだけのだと。
その証拠として、冒頭にこの変態サディストが普段から人形遊びを好んでいたことを示唆するかのように、犯人の自宅に置かれたフランス人形を映し出した短いカットが入れられております。そして、最後には性的倒錯者に多く見られる傾向「コレクター気質」と今回の犯行が初犯ではない事を指し示すカットも盛り込まれています。
最初と最後のように、細部で世界観を視聴者に伝える演出を見て「この川村慎一監督って人すごいなぁ!」と驚愕しました。そして、調べたら川村慎一監督は「SMビデオの巨匠」と呼ばれている物凄い有名な方でした。勉強不足でごめんなさい…(´·ω·`) SMの世界は奥が深すぎて調べても調べても底が見えてこないでござるよ。
猿轡マニア的見どころ レインコートボンデージでの緊縛噛ませ猿轡。被せ猿轡やビットギャグにボールギャグなど多彩な猿轡が登場!
・本作では被せ・噛ませ猿轡・ビットギャグ・ボールギャグと4種類もの多種多様な猿轡が登場します。一番の見どころはレインコートボンデージのシーンでの噛ませ猿轡だと思うのですがこれだけ多彩な猿轡・口枷が登場するので一つずつ画像でご紹介したいなと思います。
・拉致・誘拐され変態サディスト速水健二宅に、被せ猿轡と緊縛で拘束監禁されているシーン。
・極小のマイクロビキニを着せられ、口にアクリル製の棒状のビットギャグを噛まされる。口枷から垂れる涎はビットギャグの透明な筒の中に採取され、猟奇的なサディストには美女の「唾液採集」の趣味もあることが伺える。そして、監禁され陵辱を受け続けるヒロイン・羽田夕夏。
・本作の最も見どころだと思われる「レインコートボンデージ」のシーン。全身を白いレインコートに包まれ頭にフードを被った状態で、上半身と下半身を一本縛りで緊縛放置されるヒロイン・羽田夕夏。必死に監禁下から逃げ出そうと、自由を奪われた体を芋虫のようにくねらせ移動しなんとか部屋の入口まで辿り着く。しかし、そこに速水健二が現れる。
「逃げ出そうとしたって無理だって言っただろ……お仕置きだ」
怯える彼女にそう告げると、次の場面で瘤を結んだ白い布で猿轡を噛まされているヒロイン。そして、鋏でレインコートを切られ露出した乳房や素肌に、熱いロウソクの蝋をポタポタと垂れ落とす仕置を受けるのだった。
・クライマックスシーンは後手に縛られ、口にボールギャグの口枷を装着し天井から吊るされてのバラ鞭でのウィッピング調教。吊り責めも、完全宙吊りと2種類の方法で行われる。
注視すればいくらでもフェティシズムのキーワードが出てきてしまう、フェチ盛りだくさんの内容となっております。
このブログを始める前までの自分なら「おお!四種類も猿轡が出てくる!こりゃ即買いだわ~」くらいだったと思います。しかし、このブログを通してSMや色々なフェティシズムを学ばせて頂き、AVをより深く楽しめ作中で描かれている物語性などを僅かばかりですが理解出来るようになってきました。これもひとえに皆様のおかげです、ありがとうございます。
SMビデオのシネマジック、そしてSM界の巨匠・川村慎一監督が描くレインコートボンデージなどが登場する『猟奇館の凌辱 羽田夕夏』とても深い作品でした、ぜひぜひ皆様にもご覧になって頂きたい一本です。
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本作とは別の作品ですが隷嬢寫眞館さんでレインコートボンデージをテーマにした作品が2作ほどありました。さすが!日本を代表するボンデージメーカーの隷嬢寫眞館さんです(゚∀゚ノノ゙パチパチパチパチ
ボンデージ・アドベンチャー レインコート誘拐 よしい美希
※DUGAレビュー0件(2019年12月現在)
レインコートでボンデージ 夏川梨花
※DUGAレビュー0件(2019年12月現在)
ボンデージ・BDSM・Damsel in distress(略称DID)で女性が縛られ、猿轡やマスクで口を塞がれ拘束されている姿が3度の飯より好き!エロではなく変態・マニアな人間でしか気づけないフェティッシュな部分に執着したAVレビュー、他者のフェチは絶対否定しないをモットーにブログを書いています。色々なフェチの方々と情報・意見の交換が出来たら幸いです。
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