孤独と個独

胎児のアイキャッチ画像
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16週の胎児

生命は皆、複合体の形で誕生し切り離され一つの個体となる過程を経て今に至る。

母胎という苗床に根を張り芽生えることで、孤独の存在しない「完全なる世界」の内での誕生といった過程を生命は一様に歩んできた。そして、細胞分裂や出産による望まぬ形の分離を受け初めて存在的な「個」となる。

それまでは「固」つまり「ひとかたまり」の存在だったのである。

人間が複合体であれたのは十月十日ほどの短い期間だけで、それ以外は母、そして他者から切り離された「不完全な世界」を独立した個として生涯を過ごす。それは、人はその時間のほとんどを「個独」の存在として送るということを意味している。

故に、人は孤独であることを極端に忌み嫌い、そしれ恐れ他者と通じ合うことに腐心をし母の胎内にいた頃の「完全なる世界」の再現。つまりは他者から認識された世界、一体となった感覚を共有することで興る精神の安寧。それを欲しむことに生涯の時間の多くを費やす。

独立した個体。個独の存在であるが為に人間は他者を求め、あの頃へと還ろうとする潜在的欲求を持つ。それこそが生命体としての人間性の本質に仕組まれた求愛のカラクリだったのではないだろうか。

自らのフェティシズム的欲求の根源をこの推論から考察してゆきたいと思っている。

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